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亥之
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いの
お
袋などが
口廣い
事は
言へど
亥之が
昨今の
月給に
有ついたも
必竟は
原田さんの
口入れではなからうか
うしろの
土手の
自然生を
弟の
亥之が
折て
來て、
瓶にさしたる
薄の
穗の
招く
手振りも
哀れなる
夜なり。
夫では
最う
私は
戻ります、
亥之さんが
歸つたらば
宜しくいふて
置いて
下され、お
父樣もお
母樣も
御機嫌よう、
此次には
笑ふて
參りまするとて
是非なさゝうに
立あがれば