二本松にほんまつ)” の例文
次第しだいとほさとへ、祭礼さいれいさそはれるやうながして、すこしうと/\として、二本松にほんまついては、其処そこ並木なみきを、飛脚ひきやくかよつてさうな夢心地ゆめごゝちつた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これより先艮斎は天保十三年に故郷に帰って、二本松にほんまつにある藩学の教授になったが、弘化元年に再び江戸に来て、嘉永二年以来昌平黌しょうへいこうの教授になっていた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
彰義隊しょうぎたいけいくさにおわったあと、幕府ばくふがわのひとたちは、東北地方とうほくちほうにのがれ、二本松にほんまつ会津若松あいづわかまつや、北海道ほっかいどう箱館はこだて函館はこだて)の五稜郭ごりょうかくなどで、官軍かんぐんにてむかい、つぎつぎにやぶれていきました。
十二歳から十四歳まで(万延元年—文久二年)二本松にほんまつの商家に見習にやられ、逃げ帰って志を治乱に立て、水戸天狗てんぐ党(元治元年十六歳)に際しては「同志」とともに応じて危うく一命を保ち
加波山 (新字新仮名) / 服部之総(著)