乱声らんじょう)” の例文
旧字:亂聲
つとに、お待ちうけらしいたたずまいである。院司いんじの上奏あって、すぐ乱声らんじょう(雅楽部の合奏)のうちに、鸞輿は、さらに中門へ進められた。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
訪れた上皇を迎えて、笛、鐘、太鼓が一斉に乱声らんじょうの楽を奏した。正装の諸卿は列を正してこれを迎え、六衛府の官人が幔幕まんまくを張った門を開けた。
皇麞こうじょうなどが舞われ、日の暮れ時に高麗こうらい楽の乱声らんじょうがあって、また続いて落蹲らくそんの舞われたのも目れず珍らしい見物であったが、終わりに近づいた時に、権中納言と
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
剣持けんもち役の南遠江守をうしろに、八ようの車から降りて入場する大納言尊氏、また、副将軍直義のすがたに、人々は一せいに乱声らんじょう(ときの声に合せて急テンポにがくそうす)
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
高麗こま乱声らんじょう(競馬の時に右が勝てば奏される楽)がなぜ始まらないの」
源氏物語:46 竹河 (新字新仮名) / 紫式部(著)
というあいずを聞くと、各自、うしろにおいていた琵琶のふくろを解いて、いとを調べ出した。そしてしばらくは大勢のいとのしらべや転手てんじゅを締めるなどでゆかはただ水の乱声らんじょうするような風情ふぜいでしかない。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
俄に、督戦とくせん乱声らんじょうは、退がねにかわっていた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乱声らんじょう、乱声っ!」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)