“転手”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てんじゅ66.7%
ねじ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちょこなんとかしこまり、おもむろに琵琶を取り上げてキリキリと転手てんじゅを捲き上げると、その傍らに介抱気取りで両手を膝に置いて、端然と正坐しているのが清澄の茂太郎です。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
というあいずを聞くと、各自、うしろにおいていた琵琶のふくろを解いて、いとを調べ出した。そしてしばらくは大勢のいとのしらべや転手てんじゅを締めるなどでゆかはただ水の乱声らんじょうするような風情ふぜいでしかない。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三味線の古い転手ねじでわざわざ拵えさしたという象牙のパイプは、私の気に入った。純綿の単衣が、お寝間着にと届けられた時は、私はへんに惨めな気持ちになった。
祭りの夜 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)