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九時頃
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くじごろ
九時頃だが、
商店は
町の
左右に
客を
待つのに、
人通りは
見掛けない。
靜な
細い
町を、
四五間ほど
前へ
立つて、
小兒かと
思ふ
小さな
按摩どのが
一人、
笛を
吹きながら
後形で
行くのである。
その
夜九時頃濱野さんが
來て、
茶の
聞で
話しながら、ふと「いつかのこたつ
騷ぎは、
丁度節分の
今夜でしたね。」といふのを
半聞くうちに、
私はドキリとした。
總毛立つてぞつとした。