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久闊
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きゅうかつ
ふりがな文庫
“
久闊
(
きゅうかつ
)” の例文
瀬川は一わたり
久闊
(
きゅうかつ
)
の挨拶がすんでから、急に話頭を転換して言った。私には浅野という男が誰のことかとみには思い出せなかったので
犠牲者
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
これは私があの
新橋
(
しんばし
)
停車場でわざわざ迎えに出た彼と
久闊
(
きゅうかつ
)
の手を握り合った時、すでに私には気がついていた事でした。
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と、登って来た二頭の荷駄を迎えて、
凡
(
ただ
)
ならぬ親しみで
久闊
(
きゅうかつ
)
の情を
叙
(
の
)
べたり、無事を歓び合ったりしているのであった。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さて住職
奥田墨汁
(
おくだぼくじゅう
)
師を
訪
(
とぶら
)
って
久闊
(
きゅうかつ
)
を
叙
(
じょ
)
した。対談の間に、わたくしが嶺松寺と池田氏の墓との事を語ると、墨汁師は意外にも
両
(
ふた
)
つながらこれを知っていた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
いつもただ首を上げてチョット顔をみるだけで、それが
久闊
(
きゅうかつ
)
の挨拶であり、別離の辞である。空虚な人間の挨拶などは、喋る気がしなくなっているのであった。
青春論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
なにもしていない、お茶を呑んで
久闊
(
きゅうかつ
)
を
叙
(
じょ
)
していたところだったと答えると、その風呂敷包を拡げてみろと云った。私はこの時はじめてハハアと合点が入った。
西隣塾記
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
袁傪は恐怖を忘れ、馬から下りて叢に近づき、
懐
(
なつ
)
かしげに
久闊
(
きゅうかつ
)
を叙した。そして、
何故
(
なぜ
)
叢から出て来ないのかと問うた。李徴の声が答えて言う。自分は今や異類の身となっている。
山月記
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
二葉亭は『浮雲』以後全く
韜晦
(
とうかい
)
してこの文壇の気運を白眼冷視し、一時
莫逆
(
ばくげき
)
を結んだ逍遥とも音信を絶していたが、丁度その頃より少し以前、逍遥と二葉亭とは偶然私の家で
邂逅
(
かいこう
)
して
久闊
(
きゅうかつ
)
を叙し
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
久闊
(
きゅうかつ
)
を
舒
(
じょ
)
し、いろいろ話の中に、牧氏のいうには
幕末維新懐古談:46 石川光明氏と心安くなったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
一そ自分もあすこへ行って、先生と
久闊
(
きゅうかつ
)
を叙し合おうか。が、多分先生は、たった一学期の短い間、教室だけで顔を合せた自分なぞを覚えていまい。
毛利先生
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
本来、
久闊
(
きゅうかつ
)
の情も
叙
(
の
)
ぶべきなれど、主君玄徳の命をうけて、今日、これにて丞相を待ちうけたる関羽は、私の関羽にあらず。——聞く、英雄の死は天地も
哭
(
な
)
くと。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その夜も一しょだった村田君は、私を彼に紹介しながら、この利巧そうな女形と、互に
久闊
(
きゅうかつ
)
を叙し合ったりした。
上海游記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
孫立
(
そんりゅう
)
の一行は、まもなく
郭門
(
かくもん
)
でみな馬をおりて、これへ来た。相見るや、
欒廷玉
(
らんていぎょく
)
もオオと双手で迎え、孫立もまた手をさしのべ、かたく握り合って、お互い
久闊
(
きゅうかつ
)
の情を見せた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
殊に今の洋服を着た菊五郎などは、余りよく私の友だちに似ているので、あの
似顔絵
(
にがおえ
)
の前に立った時は、ほとんど
久闊
(
きゅうかつ
)
を
叙
(
じょ
)
したいくらい、半ば気味の悪い懐しささえ感じました。どうです。
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
なんと、あいにく浮かない日ではあったが、さっそく通して、
久闊
(
きゅうかつ
)
をあたため、さて何用でと来意を訊くと、客の湯隆は、旅包みの中から、二タ竿の黄金、おもさ二十両を、そこへさし出して。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まあ、
久闊
(
きゅうかつ
)
は、酒から」
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、まず
久闊
(
きゅうかつ
)
の
情
(
じょう
)
を
叙
(
の
)
べ
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
久
常用漢字
小5
部首:⼃
3画
闊
漢検1級
部首:⾨
17画
“久闊”で始まる語句
久闊振