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久敷
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ひさしく
咄に浮たて歩行し事故お花は餘程
草臥たる樣子なり友次郎とても
久敷京大坂に逗留し今日
踏出しに大道を歩行たる事なれば今宵は早く共此宿に
泊らんと云けるを
經て
漸々江戸に
着麹町三丁目なる長庵が
宅に到りければ長庵は大に悦び
偖々能出府には及ばれたり
久敷便りもせざりし故
田舍の樣子も
如何有し事と思ひ出さぬ日とてはなく豫々
容子を
好むと雖も
其質狡猾く
毎々新町を始め惡所場を
騷し諸處に於て
強請騙りなどせしが或時
喧嘩にて人を
過め遂に召捕れし
上久敷入牢して居たれども相手方
命に
恙なく御慈悲を願ひける
故遠島にも成べきを