丑刻頃やつどきごろ)” の例文
付て參りし所淺草福井町とやら申町迄いたり其所の路次ろじへ入候は最早もはや丑刻頃やつどきごろとも覺敷おぼしく候に付其夜は外にて夜をあかし翌朝右の駕籠屋へ參り段々相尋あひたづね委細ゐさい事故ことがら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
出して見せたる故羨敷うらやましく思ひ我今百兩有らば安樂なるべし役に立ぬ寺への奉納と存じ何方いづかたへ仕舞置やとひそかのぞきしに重箪笥かさねだんすの引出へ入れたるを能々よく/\見置みおき其夜そのよ丑刻頃やつどきごろ忍び込み右の金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
明申さず是非ぜひに其の所に車の御座ござかげしばら相休あひやすをり候處夜も丑刻頃やつどきごろ兩人りやうにんの曲者來り一人は伊勢屋いせやの家に忍び入り暫時しばらくすぎて出けるが外に待居まちゐたる者と何かさゝやき其の者は西の方へ馳行はせゆきのこりし一人は其後そのご金屋の切戸きりどより人の出行しあと這入はひりしに女のさけこゑしてほどなく彼の男何やら風呂敷ふろしきに包みたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)