くんだ)” の例文
河上一家いっけの事を聞くつもりなら、わざわざ麻布あざぶくんだりまで出張する必要はない。河上を持ち出したのは河上対某との関係が知りたいからである。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「自分の手にある絵図面を、偽物と換えるのはわけが解らないじゃありませんか。それも奥州くんだりまで行って骨を折って描いた絵図面じゃありませんか」
過日いつか切通きりどおし枳殻寺からたちでらで施米があると云うから、この足で、さめヶ橋から湯島くんだりまで、お前様まえさん、小半日かかって行ったと思わっしゃれ、そうすると切符を渡して、なお前様、明日あした来い
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
清も兄の尻にくっ付いて九州くんだりまで出掛ける気は毛頭なし、と云ってこの時のおれは四畳半よじょうはんの安下宿にこもって、それすらもいざとなれば直ちに引きはらわねばならぬ始末だ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
当人がもとの通りでいいと云うのに延岡くんだりまで落ちさせるとは一体どう云う了見りょうけんだろう。太宰権帥だざいごんのそつでさえ博多はかた近辺で落ちついたものだ。河合又五郎かあいまたごろうだって相良さがらでとまってるじゃないか。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)