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一輛
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いちりょう
ふりがな文庫
“
一輛
(
いちりょう
)” の例文
新妻が、身と共に、そこへ持って行った荷物といえば、
一荷
(
いっか
)
の衣裳と、髪道具と、そして、
一輛
(
いちりょう
)
の
輦
(
くるま
)
だけであった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
アウグスツスの
広
(
ひろ
)
こうぢに余りて列をなしたる馬車の間をくぐり、いま玄関に横づけにせし
一輛
(
いちりょう
)
より出でたる貴婦人、毛革の肩掛を
随身
(
ずいじん
)
にわたして車箱の
裡
(
うち
)
へかくさせ
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
すなわち横ぎりにかかる
塗炭
(
とたん
)
に右の方より不都合なる
一輛
(
いちりょう
)
の荷車が
御免
(
ごめん
)
よとも何とも云わず
傲然
(
ごうぜん
)
として我前を通ったのさ、今までの態度を維持すれば衝突するばかりだろう
自転車日記
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
溜池
(
ためいけ
)
まで来た時、
後
(
うしろ
)
からやっと
一輛
(
いちりょう
)
満員の車が走って来た。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
朱雀
(
すじゃく
)
のあたりで火事のやむのを待っている
雑鬧
(
ざっとう
)
の中で見とどけた
一輛
(
いちりょう
)
の
蒔絵輦
(
まきえぐるま
)
が、十人ほどの家の子の打ちふる
松明
(
たいまつ
)
に守られながら、大路の辻を西へ曲りかけた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
空気
透徹
(
すきとお
)
りたれば、残る
隈
(
くま
)
なくあざやかに見ゆるこの群の
真中
(
まなか
)
に、馬車
一輛
(
いちりょう
)
停
(
と
)
めさせて、年若き貴婦人いくたりか乗りたれば、さまざまの
衣
(
きぬ
)
の色相映じて、花
一叢
(
いっそう
)
、にしき一団、目もあやに
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
ただ
一輛
(
いちりょう
)
の
蒔絵輦
(
まきえぐるま
)
が、路ばたの流れの中へ片方の
軌
(
わだち
)
を落して
傾
(
かし
)
いでいた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
輛
漢検1級
部首:⾞
15画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥