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一槍
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ひとやり
なにがしという一人の家を
囲みたるおり、
鶏の
塒にありしが、驚きて鳴きしに、主人すは
狐の来しよと、
素肌にて起き、戸を出ずる処を、
名乗掛けて
唯一槍に殺しぬ。
と、私は
大袈裟に
呆れてみせて、ひとのいい博士の、急所に
一槍突込んだ。
又
後よりみの毛を
障す、熊又まへにすゝむ。又さはり又すゝんで熊
終には穴の口にいたる。これを
視て
待かまへたる
猟師ども
手練の
槍尖にかけて
突留る。
一槍失ときは熊の
一掻に一
命を
失ふ。