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㷀然
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けいぜん
ふりがな文庫
“
㷀然
(
けいぜん
)” の例文
……そのあとへ、
人魂
(
ひとだま
)
が一つ離れたように、提灯の松の下、小按摩の妄念は、列の中へ加わらずに孤影
㷀然
(
けいぜん
)
として残っている。……
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
疲れてもやめえぬ戦いを持続しながら、
㷀然
(
けいぜん
)
として
独
(
ひと
)
りその間に老ゆるものは、
見惨
(
みじめ
)
と評するよりほかに評しようがない。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
見よ或はかの棄てられし恨を
遺
(
のこ
)
し、或はこの奪はれし
悲
(
かなしみ
)
に
遭
(
あ
)
ひ、前の恨の消えざるに又新なる悲を添ふ。棄つる者は去り、棄てざる者は
逝
(
ゆ
)
き、
㷀然
(
けいぜん
)
として
吾独
(
われひと
)
り在り。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
土瓶
(
どびん
)
へ
入
(
い
)
れた
水
(
みづ
)
を
持
(
も
)
つて
墓參
(
はかまゐ
)
りに
行
(
い
)
つて、それから
膳椀
(
ぜんわん
)
も
皆
(
みな
)
返
(
かへ
)
して
近所
(
きんじよ
)
の
人々
(
ひと/″\
)
も
歸
(
かへ
)
つた
後
(
のち
)
勘次
(
かんじ
)
は
㷀然
(
けいぜん
)
として
古
(
ふる
)
い
机
(
つくゑ
)
の
上
(
うへ
)
に
置
(
お
)
かれた
白木
(
しらき
)
の
位牌
(
ゐはい
)
に
對
(
たい
)
して
堪
(
たま
)
らなく
寂
(
さび
)
しい
哀
(
あは
)
れつぽい
心持
(
こゝろもち
)
になつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
㷀
部首:⽕
11画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“㷀”で始まる語句
㷀々