“キュー”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
突棒20.0%
撞球棒20.0%
20.0%
10.0%
撞棒10.0%
竿10.0%
10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おたかはもう突棒キューを手にして、媚ある眼でじっと見やった。で林はそのまま立ち上った。
球突場の一隅 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
そうして、えさについたら、もう占めたもんで……。まもなく、飾り台パデストールのうえに、ちょこなんと乗る。撞球棒キューのうえへ玉をのせたのを、鼻であしらいあしらい梯子はしごをのぼってゆく。
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
かの人々は余がともに麦酒ビールの杯をも挙げず、球突きのキューをも取らぬを、かたくななる心と欲を制する力とに帰して、かつはあざけりかつはねたみたりけん。されどこは余を知らねばなり。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
いや、むしろ直截ちょくせつに云いましょう。だいたい装飾灯シャンデリヤが再び点いた時に、左ききであるべき貴方が何故、キューを右に提琴ヴァイオリンを左に持っていたのですか
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
右手のキューが床の上に落ち、左手もしだいにダラリと垂れていって、開いてあるドアの方を凝然じっみつめているのでした。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
そしていつまでも撞棒キューを離さなかった。同僚は一時になると先へ引上げてきたが、彼は三時を打って暫くしてから、呑気そうに煙草を吹かしながら戻ってきた。
或る素描 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
彼は何事かと云ふやうに眉をひそめて——彼の妙な、曖昧な表情の一つである——竿キューを置き、私について部屋を出た。
キューさま」と趙太爺はおずおずしながら小声で彼を喚びとめた。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)