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ろくぶだま
中肉中背で、可哀らしい円顔をしている。
銀杏返しに結って、体中で外にない赤い色をしている
六分珠の
金釵を
挿した、たっぷりある髪の、
鬢のおくれ毛が、
俯向いている
片頬に掛かっている。
鬘ならではと
見ゆるまでに
結做したる
圓髷の
漆の
如きに、
珊瑚の
六分玉の
後插を
點じたれば、
更に
白襟の
冷豔、
物の
類ふべき
無く——
鬘ならではと見ゆるまでに
結做したる
円髷の漆の如きに、
珊瑚の
六分玉の
後挿を点じたれば、更に
白襟の
冷豔物の
類ふべき無く、
貴族鼠の
縐高縮緬の
五紋なる
単衣を
曳きて
とあれば、
鬘ならではと
見ゆるまで、
圓髷を
結なして、
六分玉の
珊瑚に、
冷豔なる
白襟の
好み。
鬘ならではと
見ゆるまでに
結なしたる
圓髷に、
珊瑚の
六分玉のうしろざしを
點じた、
冷艷類ふべきなきと、こゝの
名物だと
聞く、
小さなとこぶしを、
青く、
銀色の
貝のまゝ
重ねた
鹽蒸を
肴に