“もちもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
持物41.7%
所有物20.8%
所持品8.3%
所有8.3%
寵妾4.2%
所帯道具4.2%
所有品4.2%
所蔵品4.2%
携帯品4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふつうの人間にんげん持物もちものらしいのは、トランクだけだった。トランクは二個あった。そのほかの荷物にもつときたら、なんともいえずふうがわりなのだ。
◯ヨブは所有物もちものにおいて前の二倍となり、家富み子女栄えて、長寿と健康とを恵まれて、その境遇において完全なる幸福を享受するに至った。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
双方の所持品もちもの同志でも近くに置くとお互いに傷つけ合おうとする位で、相剋の中でも一番恐ろしい相剋なのだから、忘れても相手の遺品かたみなぞを傍近くに置いてはいけない。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
同じ士族屋敷風の建物でも、これはいくらか後で出来たものらしく、蚕の種紙をあきなう町の商人の所有もちものに成っていた。高瀬はすこしばかりの畠の地所を附けてここを借りることにした。
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「ことによると、どこかご大身の方の寵妾もちものではないでしょうか」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それも私はよく知っている。また其れがいよ/\別れねばならぬことになって、一層丁寧に、私の所帯道具もちものの始末をしてくれたのも知っている。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
また別の日には、父の何年ぶりかの所蔵品もちものの虫干もありました。此の日には私は離れの方へ見に行きました。
虫干し (新字新仮名) / 鷹野つぎ(著)
入場者は一一誰何され、携帯品もちものの取調をも受けた。一挺の鉛筆削でも容赦なく留置された。法廷内は殊に厳重であつた。
逆徒 (新字旧仮名) / 平出修(著)