所有物もちもの)” の例文
「ここにある宮殿や庭園はみんなこのわし所有物もちものじゃ……四百余州の天も地も今では私の自由になる。私はそういう人間じゃ」
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
◯ヨブは所有物もちものにおいて前の二倍となり、家富み子女栄えて、長寿と健康とを恵まれて、その境遇において完全なる幸福を享受するに至った。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
お駒が、ぎょっとすると、日本一太郎は、彼の所有物もちもののなかで一番高価らしい、村田むらたの銀張りをからりと投げ出すように置いて、ひと膝乗り出してきた。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
聖ドミニクスは未だ若かりし時、書籍やその他の所有物もちものを賣りてその得たる價を貧民に施す等慈善の行爲多かりき
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
が、網を曳いてみても、潜水夫を入れても坂本の屍体は勿論所有物もちもの一つ揚がらなかった。で、満潮を待って、水上署と協力して一斉に底洗いをする手筈になっていた。
上海された男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
「その所有物もちものは羊七千、駱駝らくだ三千、牛五百くびき牝驢馬めろば五百、しもべおびただしくあり」というほどの富の程度であった。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
されば「エホバ、ヨブの艱難なやみを解きてもとかえししかしてエホバついにヨブの所有物もちものを二倍に増し給」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)