所持品もちもの)” の例文
だんだん減っていた私の所持品もちものといってはさい荷車一つにも足らなかった。小倉は暇にまかせて近いところを二度に運んでいった。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
双方の所持品もちもの同志でも近くに置くとお互いに傷つけ合おうとする位で、相剋の中でも一番恐ろしい相剋なのだから、忘れても相手の遺品かたみなぞを傍近くに置いてはいけない。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)