-
トップ
>
-
ほそろぢ
が、
吃驚するやうな
大景氣の
川鐵へ
入つて、たゝきの
側の
小座敷へ
陣取ると、
細露地の
隅から
覗いて、
臆病神が
顯はれて、
逃路を
探せや
探せやと、
電燈の
瞬くばかり、
暗い
指さしをするには
弱つた。
同じ
新開の
町はづれに八百
屋と
髮結床が
庇合のやうな
細露路、
雨が
降る
日は
傘もさゝれぬ
窮屈さに、
足もととては
處々に
溝板の
落し
穴あやふげなるを
中にして、
兩側に
立てたる
棟割長屋