“ひらり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
飜然86.8%
翻然7.9%
2.6%
2.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と若い女が諸声で、やや色染めた紅提灯、松原の茶店から、夕顔別当、白い顔、絞の浴衣が、飜然ひらりと出て、六でなしを左右から。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
早瀬はちょっとことばを切って……夫人がその時、わななきつつ持つ手を落して、膝の上に飜然ひらりと一葉、半紙に書いた女文字。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と黄八丈が骨牌ふだめくると、黒縮緬の坊さんが、あかい裏を翻然ひらりかえして、
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
本当ほんとに好くってよ、然う遠慮しないでも。今持って来てよ」、と蝶の舞うように翻然ひらりと身をかえして、部屋を出て、姿は直ぐ見えなくなったが、其処らで若い華やかな声で、「其代り小さくッてよ」、というのが聞えて、軽い足音がパタパタと椽側を行く。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
夜陰にとどろく車ありて、一散にとばきたりけるが、焼場やけばきはとどまりて、ひらり下立おりたちし人は、ただちに鰐淵が跡の前に尋ね行きてあゆみとどめたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼方かなたの狐も一生懸命、はたの作物を蹴散けちらして、里のかたへ走りしが、ある人家の外面そとべに、結ひめぐらしたる生垣いけがきを、ひらりおどり越え、家のうちに逃げ入りしにぞ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)