翻然ひらり)” の例文
旧字:飜然
一日あるひことで、十八九の一人ひとり少年せうねんうま打乘うちのり、荷鞍にぐらけた皮袋かはぶくろに、銀貨ぎんくわをざく/\とならしてて、店頭みせさき翻然ひらりり、さて人參にんじんはうとふ。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
本当ほんとに好くってよ、然う遠慮しないでも。今持って来てよ」、と蝶の舞うように翻然ひらりと身をかえして、部屋を出て、姿は直ぐ見えなくなったが、其処らで若い華やかな声で、「其代り小さくッてよ」
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
と黄八丈が骨牌ふだめくると、黒縮緬の坊さんが、あかい裏を翻然ひらりかえして
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)