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のみあひ
偖又半四郎は
時移るに隨ひて
醉は十分に
發し
自から
高聲になり彼町人體の男に向ひ貴樣の樣なる者は
道連になると茶屋なとへ引づり
込此樣に
打解て酒を
呑合百年も
交際し如くなして相手の
油斷を
なし兎も角も一ツ長屋に居れば我々まで
引合になるも知れず
日來一口づつ
呑合し者は今さら仕方なし皆々恐れ
用心してぞ居たりける偖文右衞門久兵衞の兩人は
増々云募り
假令今
浪人しても大橋文右衞門ぞや他人の金などに目を
覗き見て
成ほど/\辨慶の云通り文めが今日の
身形は何でも只事ではなしと
噂區々なるに辨慶は少し
鬱氣し樣子にて
己ア
日來仲間の事ゆゑ文右衞門とは心安くして
度々酒も
飮合しが
那んな
身形を
せぬかと申に彼町人は得たり
賢しと夫は有難し
直樣御間仕つらんと是より後藤の
側へ
寄献つ
酬つ
飮合いが其好む所に
辟すとの如く後藤半四郎は自分が
酒好故終に此男と合口となりて忽ち互ひに
打解つゝ
四方八方の物語りを