“ねたば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
寝刃38.5%
嫉刃19.2%
嫉刄7.7%
寐刃7.7%
寢刄7.7%
3.8%
妬刃3.8%
妬刄3.8%
嫉刀3.8%
怨刄3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大塔ノ宮は吉野の孤塁こるいに、千早は敵の重囲のなかで、明日の望みはおろか、一命すらも、いつ北条の寝刃ねたばに会うやらと、日々が露の身のおここちだった。
大きな岩の塊を虚空に投げ上げている、高さを競って嫉刃ねたばでも合せているように、岩が鋭い歯を剥き出して、水光りに光っている。
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
斑々とさびを浮かせてをりますが、もと/\品が確からしく、切つ尖も燒刄もたいして痛まず、薄く浮いた錆が、反つて嫉刄ねたばを合せたやうに、刄の滑りを留めるのに役立つかも知れません。
この意気なればこそ、三日握り詰めたお夏の襟をそった剃刀に、鎮西五郎時致ときむねが大島伝来の寐刃ねたばを合わせたとはいえ、我が咽喉のどならばしらず、いかで誤ってお夏の胸を傷つけんや。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
他人からは評判の良い者が、案外家の中に、寢刄ねたばを合せる敵を持つて居ることがあり、孫右衞門の命を取つたのも、そんな關係で、思ひも寄らぬ身近の者かも知れないのです。
梶子の附け人で用心棒で、かつは梶子の監視人でもある、ねたば三十郎は梶子の家から、約二町ほどへだっている、同じ町内に住んでいた。
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ねたば三十郎と申す仁で。……おおそうそう刃氏と、梶子様とはご懇意の筈、一緒に青塚を攻めました際、お味方くだされた筈でござったな。
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
二人は妬刃ねたばを合せながら、心しずかにその日を待った。今はもう敵打かたきうちは、成否の問題ではなくなっていた。すべての懸案はただその日、ただその時刻だけであった。
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
はぢも人格もない人間だけに、女出入りの怨みを妬刄ねたばを合せた暗討のひと太刀に、人知れず片付けようといふ腹だつたのです。
町の中には険呑けんのんな空気が立罩たてこめて、ややもすれば嫉刀ねたばが走るのに、こうして、朧月夜に、鴨川の水の音を聞いて、勾配こうばいゆるやかな三条の大橋を前に、花に匂う華頂山、霞に迷う如意にょいヶ岳たけ
女出入の怨みを怨刄ねたばを合せた暗討の一と太刀に、人知れず片付けようという腹だったのです。