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寝刃
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ねたば
ふりがな文庫
“
寝刃
(
ねたば
)” の例文
挙
(
こぞ
)
って
寝刃
(
ねたば
)
を合わせているから、この男一人が出動したからとて、城下の人心の警戒と恐慌は、あえて増しもしないし、減じもしない。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
大塔ノ宮は吉野の
孤塁
(
こるい
)
に、千早は敵の重囲のなかで、明日の望みはおろか、一命すらも、いつ北条の
寝刃
(
ねたば
)
に会うやらと、日々が露の身のおここちだった。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「この上に妨げが入ってはいけない。浪蔵と信三郎と品吉は縛ってあるが、この上どこに
寝刃
(
ねたば
)
を合せている者がないとは限らない。善は急げだ、手当が済んだら行こうか」
銭形平次捕物控:100 ガラッ八祝言
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
といって
寝刃
(
ねたば
)
を合わせるじゃあない、恋に失望したもののその
苦痛
(
くるしみ
)
というものは、およそ、どのくらいであるということを、思い知らせたいばっかりに、
要
(
い
)
らざる
生命
(
いのち
)
をながらえたが
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
陰謀の
寝刃
(
ねたば
)
を向けられている当の老婆が、全く一人ぼっちでいるという事を、すぐその前日この上なく確実に、いっさい危険な質問や探索なしに突き止めるのは、およそ困難なことに相違ない。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
▼ もっと見る
お十夜が恋の仇と
寝刃
(
ねたば
)
をとぐ彼、そして、お綱の思いあくがれている彼の姿が、江戸の地へ立ったのである。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
刃を上にして膝へ載せてから
研石
(
みがきいし
)
を取って竜之助は、静かにその刃の上を斜めに
摩
(
こす
)
りはじめました。竜之助は、いまこの刀の
寝刃
(
ねたば
)
を合せはじめたものであります。
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「すべりを防ぐために、
寝刃
(
ねたば
)
を合せるということもあるが——」
銭形平次捕物控:033 血潮の浴槽
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お前さんも薄々は感づいていましょうけれど、
笊組
(
ざるぐみ
)
の久八だの、大月玄蕃や投槍の小六などは、いまだに絶えず
寝刃
(
ねたば
)
を
研
(
と
)
いで、新九郎さんの隙を
窺
(
うかが
)
っているのですよ。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寝刃
(
ねたば
)
を合せていることも、巻藁を切るためであったかと思えば、別段に凄いことではありません。
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
今、ようやく
寝刃
(
ねたば
)
を合せ終ったのは二尺三寸、手柄山正繁の一刀でありました。
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
せつな我れを失う
寝刃
(
ねたば
)
の闇のこと
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寝
常用漢字
中学
部首:⼧
13画
刃
常用漢字
中学
部首:⼑
3画
“寝”で始まる語句
寝
寝衣
寝台
寝床
寝覚
寝室
寝転
寝惚
寝所
寝呆