“ちらば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
33.3%
散亂33.3%
散乱16.7%
散在16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この裏を行抜ゆきぬけの正面、霧のあやも遮らず目の届く処に角が立った青いもののちらばったのは、一軒飛離れて海苔粗朶のりそだの垣を小さく結った小屋でく貝の殻で、その剥身むきみ屋のうしろに、薄霧のかかった中は
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
要するにすたれて放擲られた都會の生活のかす殘骸ざんがい………雨と風とに腐蝕ふしよくしたくづと切ツぱしとが、なほしもさびしい小汚こぎたないかげとなツて散亂ちらばツてゐる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
松太郎はトロリと酔つて了つて、だらしなく横座よこざ胡坐あぐらをかいてゐる。髪の毛の延びた頭がグラリと前に垂れた。葡萄酒の瓶がその後に倒れ、漬物の皿、破茶碗かけぢやわんなどが四辺あたり散乱ちらばつてゐる。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そこら一面に散在ちらばっている中に、月野博士を初め助手も二少年も、折り重って気絶している。
月世界跋渉記 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)