“ちぬ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:チヌ
語句割合
42.4%
茅渟18.2%
15.2%
血沼6.1%
茅淳6.1%
3.0%
智奴3.0%
3.0%
茅沼3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
正直者の虎之助は、二言なく、顔をあかめていた。脇坂甚内も、すでに槍の穂をちぬり、敵の一首級は腰にくくっていたのである。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私はこの話のおしまひに私の生れたさかひと云ふ街を書いて置きたく思ひます。堺は云ふまでもなく茅渟ちぬの海に面した和泉国いづみのくにの一小都市です。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
同博士がいろいろシナの書物を渉猟された結果によるとちぬるという文字は犠牲の血をもって祭典を挙行するという意味に使われた場合が多いようであるが、しかしとにかく
鐘に釁る (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
(御身のたけ一丈二寸、御脛の長さ四尺一寸ましき。)次に印色いにしき入日子いりひこの命は、血沼ちぬの池を作り、また狹山さやまの池を作り、また日下くさか高津たかつの池を作りたまひき。
雨ないたくもちてなよせそ茅淳ちぬの海や淡路の島に立てる白雲
長塚節歌集:1 上 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
やいばちぬらずして世界を統一することは固より、われらの心から熱望するところであるが(六二頁)、悲しい哉、それは恐らく不可能であろう。
最終戦争論 (新字新仮名) / 石原莞爾(著)
やいばちぬらずして、そういう時代の招来されることを熱望するのであり、それが、われわれの日夜の祈りであります。
最終戦争論 (新字新仮名) / 石原莞爾(著)
またあやの王が妹、大俣の王に娶ひて、生みませる御子、智奴ちぬの王、次に妹桑田の王二柱。また庶妹ゆみはりの王に娶ひて、生みませる御子、山代やましろの王、次に笠縫の王二柱。并はせて七王ななはしら
……さては鏡のやうに凪いだちぬの海の輝き、玩具のやうに愛らしく見える神戸の港と、そこに繋つて居る数十隻の汽船、瓦の太陽の反射で光ること、——今日は和泉、紀州の山々、村々までが
一口に黒鯛と云つても、多くは茅沼ちぬ鯛と称し、東京から伊勢まではカイヅといふ小形のものだ。
夏と魚 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)