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ぞんい
得ず
候え共お辰様身の上につき御
厚情相掛られし事承り及びあり難く
奉存候さて今日貴殿
御計にてお辰婚姻取結ばせられ候由
驚入申候
仔細之あり御辰様儀婚姻には私
方故障御座候故従来の御礼
旁罷り出て
相止申べくとも
存候え
共如何にも場合切迫致し
居り
且はお辰様心底によりては私一存にも参り
難候
様の義に至り候ては
汝が
知るべきやと
叱り
付直樣奉行所へ訴へけり是は利兵衞が
内心には幸ひ吉三郎を科に落し外より
持參金澤山ある
聟を取る
存意なりしとぞ大岡殿金屋利兵衞が
願書を一
覽有て
則ち吉三郎を