“じゆもく”の漢字の書き方と例文
語句割合
樹木100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
樹木じゆもくみなたがひいてさゝやきながら、いくらかあかるさをもさまたげて濃霧のうむからのがれようとするやうに間斷かんだんなくさわいだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
此頃このごろ空癖そらくせで空は低く鼠色ねずみいろくもり、あたりの樹木じゆもくからは虫噛むしばんだ青いまゝの木葉このはが絶え間なく落ちる。からすにはとり啼声なきごゑはと羽音はおとさはやかに力強くきこえる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
しかし僕の思ひ出したのはかならずしも彼のことばかりではない。彼の住んでゐた家のあたり、——瓦屋根のあひだ樹木じゆもくの見える横町よこちやうのことも思ひ出したのである。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)