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しよくん
諸君も
御經驗であらうが
此樣な
時にはとても
眠られるものではない、
氣を
焦てば
焦つ
程眼は
冴えて
胸にはさま/″\の
妄想が
往來する。
諸君聞かずや、むかし
彌次郎と
喜多八が、さもしい
旅に、
今くひし
蕎麥は
富士ほど
山盛にすこし
心も
浮島がはら。
其の
山もりに
大根おろし。
帝國ホテルや
精養軒のマネエヂヤア
諸君は
何かの
機會に
紅毛人たちにも一
椀の「しるこ」をすすめて
見るが
善い。