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しちふく
昨三十七
年十二
月某夜の
事なりき、
例の
如く
灌水を
了へて
蓐に
入り
眠に
就きし
間もなく、
何者か
來りて
余に
七福を
與ふと
告げたりと
夢む。
痴人夢を
説く、されど
夢を
見て
自ら
悟るは
必ずしも
痴人にあらざる
可し。
余は
現今に
於ても、
將た
未來に
於ても、
七福の
來る
可きを
信ずる
能はず。
されど
余が
現状を
顧みれば、
既に
七福を
得たるにはあらざるかと
思ふ。