“さいほ”の漢字の書き方と例文
語句割合
菜圃100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
年十三にして既に名をその地の教坊きょうぼうとどめき。生来文墨ぶんぼくの戯を愛しよく風流を解せり。読書とくしょめば後庭こうてい菜圃さいほを歩み、花をみて我机上わがきじょうを飾る。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
演奏がおわってから、勝三郎らは花園をることを許された。そのはなはだ広く、珍奇な花卉かきが多かった。園を過ぎて菜圃さいほると、そのかたわら竹藪たけやぶがあって、たけのこむらがり生じていた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
前面の菜圃さいほが。——青黍、もちひえ、花椰菜、火焔菜、トマトが、南瓜が、ああ大蕪が。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
わが庭広からず然れども屋後おくごなほ数歩の菜圃さいほあまさしむ。款冬ふきせりたでねぎいちご薑荷しょうが独活うど、芋、百合、紫蘇しそ山椒さんしょ枸杞くこたぐい時に従つて皆厨房ちゅうぼうりょうとなすに足る。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)