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さいほ
年十三にして既に名をその地の
教坊に
留めき。生来
文墨の戯を愛しよく風流を解せり。
読書に
倦めば
後庭に
出で
菜圃を歩み、花を
摘みて
我机上を飾る。
演奏が
畢ってから、勝三郎らは花園を
観ることを許された。
園は
太だ広く、珍奇な
花卉が多かった。園を過ぎて
菜圃に
入ると、その
傍に
竹藪があって、
筍が
叢り生じていた。
前面の
菜圃が。——青黍、もち
稗、花椰菜、火焔菜、トマトが、南瓜が、ああ大蕪が。
わが庭広からず然れども
屋後なほ数歩の
菜圃を
余さしむ。
款冬、
芹、
蓼、
葱、
苺、
薑荷、
独活、芋、百合、
紫蘇、
山椒、
枸杞の
類時に従つて皆
厨房の
料となすに足る。