“ごて”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
後手77.4%
9.7%
籠手6.5%
小手3.2%
碁手3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
後手ごてを食っちゃあ万事おしまい、そこで、七兵衛は手拭を鷲掴わしづかみにして、すっくと湯壺の中から立ち上りました。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
肩も胸も露出あらわに、乳房のあたり咽喉のあたり焼きごてでも当てられたか、赤くただれ、皮膚かわさえけている。深紅の紐でも結びつけたように、血がはぎを伝わっている。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
肌着は浅黄羽二重あさぎはぶたえの綿入、鎖帷子くさりかたびらを着こみ、茶裏の黒小袖の袂を短く縫いこみ、両臂りょうひじには一重差ひとえざしの甲無し籠手ごてき、大真田おおさなだたすきをかけ、鎖股引くさりももひき陣草鞋じんわらじ
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私どもが御機嫌伺いに参りましても根府ねぶ川の飛石とびいし伝い、三尺の沓脱くつぬぎは徳山花崗みかげ縮緬ちりめんタタキ、黒縁に綾骨あやぼね障子しょうじ。音もなく開きますれば青々とした三畳敷。五分べり南京更紗なんきんさらさ。引ずり小手ごての砂壁。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
屯食とんじき五十具、碁手ごての銭、椀飯おうばんなどという定まったものはその例に従い、産婦の夫人へ料理の重ね箱三十、嬰児えいじの服を五枚重ねにしたもの、襁褓むつきなどに目だたぬ華奢かしゃの尽くされてあるのも
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)