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ごいんきよ
若夫婦に
任せ番頭
忠八には
暇を
遣し小手前にして
家内取廻善きが
肝要なり
而御兩人は氣樂に
御隱居有ば
又宜敷事も有べしと事を分て
段々遠廻にお
常へ
異見を
その
御隱居さま
寸白のお
起りなされてお
苦しみの
有しに、
夜を
徹してお
腰をもみたれば、
前垂でも
買へとて
下された、それや、これや、お
家は
堅けれど
他處よりのお
方が
贔負になされて
のみならず、その退屈を
紛らしたい一心で、勝手な
悪戯をして仕方がない。現に或時はよその
御隠居様をつかまへて「あなた、
仏蘭西語を知つていらつしやる」