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こゝろも
しめやかな
音に
雨はなほ
降り
續いてゐる。
少しばかり
冷え
冷えとする
寒さは、
部屋の
中の
薄闇に
解けあつて、そろ/\と
彼女を
現な
心持ちに
導いて
行く。ぱつと
部屋があかるくなる。
殘らず取出し盜賊の前に差出せば次郎は
莞爾と打笑ひ夫れで能い
心持ちだらうドリヤ路用ははずんで
呉ようと
額銀一ツ
投出しサア是で何處へなりと
行をれへ言捨道玄次郎は
悠々と金を
歌の
表面は
一種の
譬へで、
何か
別のことがいつてあるのだらうといふ
心持ちが、
起りませんか。きっと
起るとおもひます。