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けんなう
全く
水泡に
歸したと
思はれたので、
今は、
其愛兒をば
國に
獻ぐる
事の
出來ぬ
代りに、せめては
一艘の
軍艦を
獻納して、
國に
盡す
日頃の
志を
遂げんものと、
其財産の
一半を
割き、
三年の
日月を
經て
『やあ、だん/″\と
目出度い
事が
集つて
來ますな。
新造軍艦は
獻納される、
海底戰鬪艇は
現はれて
來る、
日本海軍益々榮え——。』と
快活なる
面を
擧げてニコと
笑ふ。
松島海軍大佐も
微笑を
帶びて