“きんぞう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
金蔵38.5%
金藏23.1%
金造23.1%
金三7.7%
金像7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「今時にも、熊坂長範くまさかちょうはんみたいなものがいるとみえ、あの大坂城へ、大八車を曳きこんで、お金蔵きんぞうだのお手道具だのを、空巣稼あきすかせぎした奴があるそうじゃ」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
林「この親爺、何処どこまでとぼける積りだ、えゝ面倒だ、金藏きんぞう踏んめ」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
陀羅だらゴマぜにゴマ真鍮しんちゅうゴマ、ぶんぶん鳴るのが神鳴かみなりゴマ、おどけておどるが道化どうけゴマ、せいのたかいは但馬たじまゴマ、名人独楽めいじんごま金造きんぞうづくり、豆ゴマ、かけゴマ、坊主ぼうずゴマ、みやこではやっておりまする。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今年七歳しちさいの良平は生まれた家の台所に早い午飯ひるめしきこんでいた。すると隣の金三きんぞうが汗ばんだ顔を光らせながら、何か大事件でも起ったようにいきなり流し元へ飛びこんで来た。
百合 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
翌朝よくあさ二人は約束通り、一しょに百合ゆりのある麦畑へ来た。百合は赤い芽の先に露の玉を保っていた。金三きんぞうは右のちんぼ芽を、良平りょうへいは左のちんぼ芽を、それぞれ爪ではじきながら、露の玉を落してやった。
百合 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
遠くの掛軸かけじくを指し、高いところの仏体を示すのは、とにかく、目前に近々ちかぢかと拝まるる、観音勢至かんおんせいし金像きんぞうを説明すると言って、御目おんめ、眉の前へ、今にも触れそうに
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)