“きんかんざし”の漢字の書き方と例文
語句割合
金簪100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
雪洞ぼんぼりえた拍子ひやうしに、晃乎きらり唯吉たゞきちとまつたのは、びんづらけてくさちた金簪きんかんざしで……しめやかなつゆなかに、くばかり、かすかほたるかげのこしたが、ぼう/\と吹亂ふきみだれる可厭いやかぜ
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
おのがかしらにさしたる金簪きんかんざしまで引抜きぬくみを添えて売ってのみ、我身のまわり調度にしてたまわりし大事の/\女房に満足させて、昔のきをたのしみに語りたさのためなりしに、情無なさけなくも死なれては
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
女房おあやが死んだ後は、その唯一の形見の金簪きんかんざし鑄込いこんで大きい鈴を作り、自分の仕事部屋に掛けて、朝夕清澄な音を樂しんで居りましたが、或夜賊が入つて、芳村道齋を斬つた上