“からす”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
54.6%
44.5%
辛過0.2%
0.2%
鹹過0.2%
鹹酸0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おれは佐々木小次郎だと、頻りに見得を切っていたが、もう相手はひとりもいないし、暮れてきた夜空には、からすも啼いていなかった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
尾を振ってグウグウ唸って友を呼でいるのではないか。犬すらそうだ。また烏合うごうという文字がある。からすもお友達を求め歩いている。
イエスキリストの友誼 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
はい旦那様だんなさまわたくしも、賓客きやくときには八百膳やほぜん仕出しだし取寄とりよせまして、今日けふ向付肴むかうづけ甘酢あまず加減かげん甘味過あますぎたとか、しる濃過こすぎたとか、溜漬たまりづけ辛過からすぎたとか小言こごとつた身分みぶんでございますが
小心なからすが重そうに羽ばたきをして、烈しく風を切りながら、頭上を高く飛び過ぎたが、フト首を回らして、横目で自分をにらめて、きゅうに飛び上ッて、声をちぎるようにきわたりながら
あいびき (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
吸物の淡いのは食塩を加えて直ぐに味を直せますけれども鹹過からすぎたのへお湯を注すとまるで味が抜けてしまいます。からい田舎味噌は摺鉢で摺る時少しばかりお砂糖をまぜると美味しくなります。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
うちの娘は女学校へやッても、味噌汁一つこしらえられない、どうも味噌汁が鹹酸からすくッていけない、などいう人もあるが、味噌汁の鹹酸いのや、辛いのは我慢も出来る、また鹹酸いと思ッたら
人格の養成 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)