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かうしやくし
「へ、へツ、千
慮の一失つて
講釋師は言ひますぜ。あの時ばかりは親分の
鑑識も曇つたね」
講釋師の
言ふ、
槍のつかひてに
呪はれたやうだがと、ふと
見ると、
赤煉蛇であらう、たそがれに
薄赤い、
凡そ
一間、
六尺に
餘る
長蟲が、
崖に
沿つた
納屋に
尾をかくして、
鎌首が
鷄に
迫る
孰れが
前に
出来たか、
穿鑿に
及ばぬが、
怪力の
盲人の
物語りが二ツある。
同じ
話の
型が
変つて、一ツは
講釈師が
板にかけて、のん/\づい/\と
顕はす。