“おもてどほり”の漢字の書き方と例文
語句割合
表通100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
このさむさを無理むりして、一日いちにちはやはるらうと焦慮あせるやうな表通おもてどほり活動くわつどうを、宗助そうすけいまたばかりなので、そのはさみおとが、如何いかにもせはしないひゞきとなつてかれ鼓膜こまくつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
自由に車を通ずるにかゝはらず、殊更ことさら岸に立つて渡船わたしぶねを待つ心は、丁度ちやうど表通おもてどほりに立派なアスフワルトじきの道路あるにかゝはらず、好んで横町や路地の間道かんだうを抜けて見る面白さとやゝ似たものであらう。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
鉄橋と渡船わたしぶねとの比較からこゝに思起おもひおこされるのは立派な表通おもてどほりの街路に対して其の間々あひだ/\に隠れてゐる路地の興味である。擬造西洋館の商店並び立つ表通は丁度ちやうど電車の往来する鉄橋のおもむきに等しい。
路地 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)