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おちかづき
尾て是迄は參りしなれども
夜中と
云御知己にも有らねば
河岸にある
材木薪などの
蔭にて夜を
明し
兩國へ
到りて食事をなし
好時分と存じ
只今參上仕つりしなり昨夜鈴ヶ森にて助十と
御呼成れたる
故夫を
待早速參上仕つる其譯は
舊冬御仕置に相成し彦兵衞が
事御存に候はゞ
委細御話下されよと申に兩人は思ひも寄ぬ
尋ねゆゑ私し共一向に其
彦兵衞殿と申御人は
御知己にもあらねば存じ申さずと答しかば彦三郎
涙を
七蔵衣装立派に着飾りて顔付高慢くさく、
無沙汰謝るにはあらで誇り
気に今の身となりし本末を語り、
女房に都見物
致させかた/″\
御近付に
連て参ったと
鷹風なる言葉の尾につきて