“うばたま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
烏羽玉88.9%
烏円3.7%
射干玉3.7%
烏夜玉3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「……あとには、そのが、うき思い、かかれとてしも烏羽玉うばたまの、世の味気なさ、身一つに、結ばれ、とけぬ片糸かたいとの、くりかえしたる独りごと……」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
さればよ殿との聞き給へ。わらわが名は阿駒おこまと呼びて、この天井に棲む鼠にてはべり。またこの猫は烏円うばたまとて、このあたりに棲む無頼猫どらねこなるが。かねてより妾に懸想けそうし、道ならぬたわぶれなせど。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
いぬる日烏円うばたまめに、無態の恋慕しかけられて、すでかれつめに掛り、絶えなんとせし玉の緒を、黄金ぬしの御情おんなさけにて、不思議につなぎ候ひしが。かの時わがおっと烏円うばたまのために、非業の死をば遂げ給ひ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
足から膝まで光線に浸って、着ている物の柄さえ読める。あたりをめる射干玉うばたまの夜陰に、なんのことはない、まこと悪夢の一場面であった。
思いがけなく閉籠とじこめ黒白あやめも分かぬ烏夜玉うばたまのやみらみっちゃな小説が出来しぞやと我ながら肝をつぶしてこの書の巻端に序するものは
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)