“烏円”の読み方と例文
読み方割合
うばたま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さればよ殿との聞き給へ。わらわが名は阿駒おこまと呼びて、この天井に棲む鼠にてはべり。またこの猫は烏円うばたまとて、このあたりに棲む無頼猫どらねこなるが。かねてより妾に懸想けそうし、道ならぬたわぶれなせど。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
いぬる日烏円うばたまめに、無態の恋慕しかけられて、すでかれつめに掛り、絶えなんとせし玉の緒を、黄金ぬしの御情おんなさけにて、不思議につなぎ候ひしが。かの時わがおっと烏円うばたまのために、非業の死をば遂げ給ひ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)