“いちご”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イチゴ
語句割合
50.0%
一期33.5%
覆盆子7.1%
一語4.9%
2.7%
一晤0.5%
白莓0.5%
野苺0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
同様な美の香りは、熟したいちごの香りが日に暖まった秋の森から立ちのぼるように、フランスのあらゆる芸術から立ちのぼっていた。
たとい六波羅蜜ろくはらみつを修し、五戒を守っても、頭の中の妄想が一期いちごの障りとなって、まろは永劫に、輪廻の世界から逃れる事は出来ないだろう。
二人の稚児 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
矢筈草はちよつと見たる時その葉よもぎに似たり。覆盆子いちごの如くそのくきつるのやうに延びてはびこる。四谷見附よつやみつけより赤坂喰違あかさかくいちがいの土手に沢山あり。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
遂に一語いちごかなかった怪青年と落付いてしゃべっていた曽我という男との間に、ほのかに感ぜられる特殊の関係、それにあの不思議な実験だ。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
顔は天使のように、ふっくりして、黄色い薔薇ばらの感じでありました。唇は小さくいちごのように真赤でした。目は黒く澄んで、どこか悲しみをたたえていました。
ろまん灯籠 (新字新仮名) / 太宰治(著)
貴諭ノ如ク七年来悲歓得失御同然、一晤いちご握手快談仕リ度ク、小官当地書画会相済ミ直様すぐさま帰府ノ心組こころぐみニ御座候。遠カラザル中拝眉仕ルク候。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その先の白莓いちごのやうな乳首を二本の指にはさむと、金太の赤い目をひらいて、ポト、ポト、ポトと、白いお乳をしぼりおとしてくれました。
栗ひろひ週間 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
野苺いちごの葉がくれ光よけて
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)