“のいちご”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
野苺85.7%
夷苺14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ニュウグランド・ホテルの前を通って、陽のまばゆい草原の道を真直ぐに進みながら、小さい兄妹はえんじ色にうれた野苺のいちごを見つけて、わざと草深い中を歩きながら両手にあまるほど苺を摘んだ。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
それから野苺のいちごは十四ですが私たちが食べるような苺はその四倍の五十六、こんな風に、つまり染色体の数が多いと同じ苺なら苺でも優れているんです、例えば育ちが良いとか、寒暑に耐えるとか……
火星の魔術師 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
カシーリンの妻アクリーナが娘のワルワーラと一緒に庭で何心なく夷苺のいちごをとっていると、隣家との境の塀をやすやすのり踰えて一人の逞しい立派な若者がこっちの庭へ入って来た。