馬車ばしゃ)” の例文
「昨日見せてもらった鉄の馬車ばしゃですね、あのことを、人に話したところが、あれはもう古くて役に立たないと、みんな言ってますよ」
金の目銀の目 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
通常つうじょう人間にんげんは、いいことも、わるいこともみな身外しんがいからもとめます。すなわ馬車ばしゃだとか、書斎しょさいだとかと、しかし思想家しそうか自身じしんもとめるのです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
みなみくにには、もうはるがきたのであります。あるひるごろ、馬車ばしゃからりて、古道具屋ふるどうぐやへはいった、うつくしいおくさまがありました。
お父さんの見た人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
時計屋とけいやがどんどん歩いて、グリーソン屋敷やしきのかどまできたとき、のんきな顔で馬車ばしゃを走らせてくるホールにばったりと出あった。
馬車ばしゃにのせて、りっぱなホテルにあんないし、まちのおもだった人々ひとびとが、あとからあとからとおしかけて、したにもおかないもてなしぶりでした。
それから、おしろのうしろには大きなにわがあって、そこには馬小屋うまごやも牛小屋もありました。そして、りっぱな馬車ばしゃも、いく台かおいてありました。
あの頃の友達の多くは馬車ばしゃ人力車じんりきしゃで、大切なお姫様、お嬢様、美しい友禅ゆうぜんやおめしちりめんの矢がすりの着物などきて通ったもの。私は養家が護国寺ごこくじの近くにありました。
私の思い出 (新字新仮名) / 柳原白蓮(著)
甚兵衛はとても追っつかないので、馬車ばしゃの上に飛び乗りますと、黒馬はひひんと高くいなないて、またたくまに家まで駆け戻りました。
天下一の馬 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
にんうつくしいおんなたちは、あか馬車ばしゃりました。あか馬車ばしゃは、あおうみ左手ひだりてにながめながら、海岸かいがんはしっていったのであります。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ホールの仕事しごとといえば、ときどき、シッダーブリッジえきまで馬車ばしゃを走らせ、荷物にもつをはこんでくるのが、せいぜいだった。
今頃いまごろ馬車ばしゃにでもって、郊外こうがいったらさぞいいでしょう。』と、イワン、デミトリチはあかこすりながらう。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
こうして、むすめが氷をわっているさいちゅうに、王さまののっているりっぱな馬車ばしゃがとおりかかりました。王さまは馬車をとめて、むすめにたずねました。
けると、人々ひとびとは、きれいなふうをして自動車じどうしゃったり、馬車ばしゃったり、また電車でんしゃったりして往来おうらいしていました。
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ほう、あんたがたは、奇術師きじゅつしだったのか。そして、この馬車ばしゃが、そんなに気に入ったんですか。よろしい、わたしの負けだ、売ってあげましょう。
金の目銀の目 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「あすになるか? なんとか早く、とどけさせる方法はないものかな? 馬車ばしゃならいってこられそうなものだが……」
それから、六とうのうまに 馬車ばしゃをひかせて、おひめさまを、おうさまのところへつれていきました。
正午ひるになると毎日まいにち警察署長けいさつしょちょうが、町尽頭まちはずれ自分じぶんやしきから警察けいさつくので、このいえまえを二頭馬車とうばしゃとおる、するとイワン、デミトリチはその度毎たびごと馬車ばしゃあまはやとおぎたようだとか
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あか馬車ばしゃは、どうあやまったものか、いきおいよくはしってゆくと、そのがけからまっさかさまにうみなかへと四にんおんなたちをせたままちてしまいました。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
太郎はキシさんを引っぱっていって、馬車ばしゃに戻りました。そして、一郎のおじさんからもらった不思議な地図をだし、眼鏡めがねをのぞいて調べました。
金の目銀の目 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
朝になって目がさめたら、もう三日という日がたっていて、六とうだちの馬車ばしゃがやってきました。
人形にんぎょうは、その馬車ばしゃって、おじょうさまにおわかれをもうしました。やがて、くろうまは、うつくしい馬車ばしゃいて、あちらへけていってしまったのです。
春近き日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
にんじんは馬車ばしゃになりました。六ぴきのはつかねずみは、六とうのうまにかわったのです。
あねは、使つかいのおとこにつれられて、いかめしい馬車ばしゃりました。馬車ばしゃは、ひづめのおと砂地すなじうえにたてて、日暮ひぐがたそらしたをかなたにりました。
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうどそこへ、おきさきさまが馬車ばしゃにのってとおりかかりました。お妃さまは、泣き声をききつけて、馬車をとめさせました。それから、うちのなかへはいっていって、おかあさんに
魔術使まじゅつつかいのっている馬車ばしゃだから、どんな魔術まじゅつ使つかって、姿すがたしたのかもしれない。」といったものもありました。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
馬車ばしゃがしばらく走っていきますと、わかい王さまのうしろのほうで、なにかパチンとわれるような音がしました。そこで、わかい王さまがうしろをふりかえって、大声にいいました。
人々ひとびとや、馬車ばしゃや、また自動車じどうしゃは、無心むしんにガードのしたとおっていましたが、幸三こうぞうは、一つのガードのしたにくると、もうふるくなってれめのはいったれんがや
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あくる朝、お日さまがふたりをおこすころ、八とうだての白い馬にひかれた、一台の馬車ばしゃがやってきました。どの馬も、頭に白いダチョウのはねをつけて、きんのくさりでつながれていました。
前夜ぜんやのうちに、皇子おうじ馬車ばしゃも、それについてきた騎馬きば勇士ゆうしらも、なみうえへ、とっととんで、うみなかはいってしまったものとおもわれたのであります。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ると、おとうさんのゆかれた外国がいこくには、りっぱなまちがあって、馬車ばしゃとおっています。また、おとこも、おんなも、おもおもいに、きれいなふうをしてあるいています。
青いランプ (新字新仮名) / 小川未明(著)
したには、とがったとうや、たか建物たてものなどがかさなりって、馬車ばしゃや、自転車じてんしゃなどが往来おうらいうえはしっていました。
山の上の木と雲の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おそらく、そんなには時間じかんらせますまい。どうか、せっかく使つかいにまいったわたしかおをたてて、あの馬車ばしゃって、一こくはや大尽だいじん御殿ごてんへいらしてください。
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)
あめも、この黒塗くろぬりの馬車ばしゃけていきました。かぜも、くろのシルクハットをかぶって燕尾服えんびふく皇子おうじせた、この馬車ばしゃまぼろしはしっていきました。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
晩方ばんがた少女しょうじょは、お人形にんぎょういてむらはずれへきました。まだ、とおくの山々やまやまには、ゆきひかっていました。このとき、どこからともなくうつくしい馬車ばしゃまえへきてまりました。
春近き日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このとき、くろいシルクハットをかぶって、燕尾服えんびふく皇子おうじせた、くろ馬車ばしゃまぼろしが、ありありとおひめさまにえたのであります。おひめさまはぞっとなされました。
赤い姫と黒い皇子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、駅前えきまえから、あちらのやまのふもとの村々むらむらへいく、馬車ばしゃがとまっていました。いぜんには、バスが往復おうふくしていたが、戦争せんそうがはじまってから、馬車ばしゃにかわったのでした。
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうど、このとき、トテトーといって、かなたの街道かいどうを、二ばかりへだたるまちほうへゆく、馬車ばしゃのらっぱのおとこえました。むすめたちはじっと、そのほうをながめたのです。
愛は不思議なもの (新字新仮名) / 小川未明(著)
しずかな、よるなどは、物音ものおとひとつこえず、まったくさびしい田舎いなかんでいましたひとが、停車場ていしゃばりると、あたりがあかるく、よるでも昼間ひるまのようであり、馬車ばしゃや、電車でんしゃや、自動車じどうしゃ
山へ帰りゆく父 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もうほどなく、馬車ばしゃるというので、待合室まちあいしつにいた人々ひとびとが、はこなかへはいりかけました。なかにはおおきな荷物にもつをかかえたおとこがいました。たぶん山間やまあい農家のうかへあきないにいくのでしょう。
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おとうとさんのことは、いてきませんでした。大尽だいじんは、なんでもあなた一人ひとりに、おにかかっておはなしをしたいようです。けれどけっして手間てまらせません。あすこへ馬車ばしゃってきています。
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)
むらほうからガタ馬車ばしゃ
赤い鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)