ばな)” の例文
にいさんはうしました」と聞いた。梅子はすぐ此陳腐な質問に答へる義務がないかの如く、しばらく椽ばなつて、にはながめてゐたが
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
やせこけたほお、高いワシばな、太いまゆ、ギョロリとした目、大きな口、長い白ひげ、モジャモジャのしらが頭……。
魔法人形 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
眉の太い、いかばなのがあり、ひたいの広い、あごとがった、下目しためにらむようなのがあり、仰向あおむけざまになって、頬髯ほおひげの中へ、煙も出さず葉巻を突込つッこんでいるのがある。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その人は長いステッキを手に持っていて、その使いかたも知っているようです。なにしろ、大きなかぎばなで、みにくい口をしたその人は、おそろしいほどいかめしいかおつきをしているのですから。