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鷽
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うそ
ふりがな文庫
“
鷽
(
うそ
)” の例文
北沢の上流では黒木立の中で
鷽
(
うそ
)
が頻りに鳴いていた。いつか
此処
(
ここ
)
で鷹の捕えた
懸巣
(
かけす
)
を奪い取ったことを思い出す。快晴なので朝から日ざしが暑い。
朝香宮殿下に侍して南アルプスの旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
が、そのことを其處の僧に言ふと、僧は苦笑しながら、今年はどうしたのかこの裏山から奧にかけて
鷽
(
うそ
)
の鳥が誠に多く、みな彼等に花の蕾をたべられてしまひましたといふ。
花二三
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
纖細な、薄紅い
鷽
(
うそ
)
の脛のやうな莖が裾をからげたままで、寒さうに立つてゐる。
飛鳥寺
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
一匹の牝牛のそばには
鷽
(
うそ
)
のやうに真赤な鼻の、放埒な若者が寝そべつてゐた。そのむかうには、磁石や、藍玉や、散弾や、
輪麺麭
(
ブーブリキ
)
といつた品々を持つた女商人がグウグウ鼾をかいてゐた。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:06 紛失した国書
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
万一、僕がその気になったら、たとえば茶色の
鶫
(
つぐみ
)
とか、ぴょいぴょい跳び回るおめかし屋の
鷽
(
うそ
)
とか、そのほかフランス中にいろいろいる鳥のどれかが、
奴隷
(
どれい
)
の境遇に落ち込んでしまうんだ。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
▼ もっと見る
第二回の大調和展に出した「
鷽
(
うそ
)
」は野口米次郎さんの親類の人が買った。又後に出した「
石榴
(
ざくろ
)
」は京都の方の好事家が持っている訳だが、此などは後で一寸借りたいと思って面倒な思をした。
回想録
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
汗沁むる木彫の
鷽
(
うそ
)
は
手
(
た
)
にぎりて朝行きし前を夕かへりをり
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
どこの村の男であらう
媒鳥
(
をとり
)
の
鷽
(
うそ
)
は啼かないで
閒花集
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
仰げば、リンデンの樹では
鷽
(
うそ
)
の唄。
希臘十字
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
鷽
(
うそ
)
のゐて、沈思の森の金の
接唇
(
くちづけ
)
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
鷽
(
うそ
)
が鳴くわい
野口雨情民謡叢書 第一篇
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
晴れた極寒の日には優雅な波蘭貴族よろしくの姿をした胸の赤い
鷽
(
うそ
)
が餌を曳つぱりながら雪の上を歩きまはり、子供らはでつかい槌を持つて氷の上を走りまはつて、木の球を追つかけた。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:04 イワン・クパーラの前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
鳴き声がゼニトリゼニトリと聞えるので、登山者の間には銭鳥で通っている
目細
(
めぼそ
)
や、淋しい声でヒヨーヒヨーと鳴く
鷽
(
うそ
)
なども聞かれる。朝の雪渓は全く一しきり小鳥の合唱所のような観がある。
白馬岳
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
玉蘭
(
はくれん
)
の花咲きてより
来
(
く
)
る鳥の尾長・
鷽
(
うそ
)
・
鶲
(
ひたき
)
・雀みなあはれ
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
梢から
鷽
(
うそ
)
が應へる あちらを向いたまま
閒花集
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
鷽
(
うそ
)
が
落
(
おと
)
した
蠱
(
まじ
)
の
實
(
み
)
の
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
櫻の枝に 頬紅さした
鷽
(
うそ
)
の群れ
閒花集
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
鷽
(
うそ
)
の鳥かな
短歌集 日まはり
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
“鷽(ウソ)”の解説
ウソ(鷽、学名:Pyrrhula pyrrhula )は、スズメ目アトリ科ウソ属に分類される鳥類の一種。
和名の由来は口笛を意味する古語「うそ」から来ており、ヒーホーと口笛のような鳴き声を発することから名付けられた。その細く、悲しげな調子を帯びた鳴き声は古くから愛され、江戸時代には「弾琴鳥」や「うそひめ」と呼ばれることもあった。
(出典:Wikipedia)
鷽
漢検1級
部首:⿃
24画
“鷽”を含む語句
鷽替
鷽鳥
紅腹鷽
鷽形
鷽換