鷓鴣しゃこ)” の例文
黄金色のえにしだが三角形の頭を突き出し、白い苜蓿うまごやしが点々と野面のづらを彩っています。……鷓鴣しゃこが飛び出す、鷹がゆるゆると輪を描く。
犂氏の友情 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
鴫をつのはこれが初めてだ。彼は以前に、父の猟銃で、うずらを一羽殺し、鷓鴣しゃこの羽根をふっとばし、兎を一匹そこなった。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
臓物もつが、焙った仔豚が出、鴨、鷓鴣しゃこ花甘藍はなキャベツ、クリーム入りのまんじゅう、ミルクをかけた凝乳、ジェリー、そして最後にジャムつきの薄焼ブリンがでた。
(新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
この丸太小屋の中にいる人々の方は、あらゆる点で包囲者に対して有利であった。静かに隠れていて、敵を鷓鴣しゃこのように射撃することが出来るのだ。
この蜂は鷓鴣しゃこぐらいの大きさでした。針を抜き取って見ると、一インチ半もあって、縫針のように鋭いものでした。
それが良人の十八番おはこだった。自分が鷓鴣しゃこに出あった場所を教えたり、ジョゼフ・ルダンテューの猟場に兎が一匹もいなかったことに驚いてみせたりした。
初雪 (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
ところが、この他ならぬ鷲が一歩その部屋を出て、自分の上役の部屋へ近づくと、たちまち鷓鴣しゃこのようになってしまい、書類を小脇にかかえたまま、鞠躬如きっきゅうじょとして伺候しこうするのだ。
あたかも鷓鴣しゃこの群れをかぎつけたきつねのように敏捷びんしょうに、ほとんど確信があるような様子で。
一匹のありが、雨上りのわだちの中に落ち込んで、溺れようとしていた。その時、一羽の鷓鴣しゃこが、ちょうど水を飲んでいた、それを見ると、くちばしで拾い上げ、命を助けた。
牧場の真ん中で、鷓鴣しゃこが三羽起ち上がる。綺麗きれいに刈られた牧場の草は、もう彼女らの姿を隠さない。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
そしてその燐光りんこうの群れは、ひっきりなしに新手が加わってふえて行く——あたかも、一日じゅう追い回され、散り散りになっていた鷓鴣しゃこの群れが、夕方、もう危険も去って
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
鷓鴣しゃこと農夫とは、一方は鋤車すきぐるまのうしろに、一方は近所の苜蓿うまごやしのなかに、お互いの邪魔にならないくらいの距離をへだてて、平和に暮らしている。鷓鴣は農夫の声をっている。
そこで、一日じゅう、二匹の兎と、五羽の鷓鴣しゃことをかついで廻るようなことがある。彼は獲物嚢えものぶくろかわの下へ、あるいは手を、あるいはハンケチを差し込んで肩の痛みを休める。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
いつものように、ルピック氏は、テーブルの上で、りょう獲物えものを始末し、腸を抜くのである。獲物は、二羽の鷓鴣しゃこだ。兄貴のフェリックスは、壁にぶらさげてある石板せきばんに、そいつを書きつける。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
鷓鴣しゃこLes Perdrix
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
あり鷓鴣しゃこ