トップ
>
鰭爪
>
ひづめ
ふりがな文庫
“
鰭爪
(
ひづめ
)” の例文
その一本のふくら
脛
(
はぎ
)
の膝から下に、むくむくと犬だか猫だか浅間しい毛が生えて、まだ女のままの
指尖
(
ゆびさき
)
が
獣
(
けもの
)
の
鰭爪
(
ひづめ
)
に
屈
(
かが
)
まって縮んでいる。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
奮
(
はず
)
み行く馬の
危
(
あやう
)
く
鰭爪
(
ひづめ
)
に懸けんとしたりしを、馭者は辛うじて手綱を控え、冷汗
掻
(
か
)
きたる腹立紛れに、鞭を
揮
(
ふる
)
いて
叱咤
(
しった
)
せり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ヒイイン! しっ、どうどうどうと背戸を
廻
(
まわ
)
る
鰭爪
(
ひづめ
)
の音が
縁
(
えん
)
へ
響
(
ひび
)
いて
親仁
(
おやじ
)
は一頭の馬を門前へ引き出した。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
胴にまわし、ぐるぐると縄を
捲
(
ま
)
く。お百合
背
(
せな
)
を
捻
(
ね
)
じて
面
(
おもて
)
を伏す。黒髪
颯
(
さっ
)
と乱れて長く牛の
鰭爪
(
ひづめ
)
に落つ。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
路はその雑木の中に出つ
入
(
い
)
りつ、糸を引いて
枝折
(
しおり
)
にした形に入る……赤土の
隙間
(
すきま
)
なく、
凹
(
くぼみ
)
に蔭ある、樹の
下闇
(
したやみ
)
の
鰭爪
(
ひづめ
)
の跡、馬は節々通うらしいが、処がら、
竜
(
たつ
)
の
鱗
(
うろこ
)
を踏むと思えば
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
蘆毛は、ひとりして
鰭爪
(
ひづめ
)
軽く、お沢に行く。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鰭
漢検準1級
部首:⿂
21画
爪
常用漢字
中学
部首:⽖
4画
“鰭”で始まる語句
鰭
鰭伏
鰭袖
鰭状
鰭酒
鰭ヶ崎
鰭伏々々