風流仏ふうりゅうぶつ)” の例文
『新著百種』は薄命なる才人三唖を暗黒なる生涯に送り出すと同時に天才露伴の『風流仏ふうりゅうぶつ』を開眼して赫灼かくしゃくたる前途を耀かがやかした。
すさまじきまで凝り詰むれば、ここ仮相けそう花衣はなごろも幻翳げんえい空華くうげ解脱げだつして深入じんにゅう無際むさい成就じょうじゅ一切いっさい荘厳しょうごん端麗あり難き実相美妙みみょう風流仏ふうりゅうぶつ仰ぎて珠運はよろ/\と幾足うしろへ後退あとずさ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
山田より前だのあとだのとあげつらわれたり、幸田露伴の「五重の塔」や「風流仏ふうりゅうぶつ」に、ぐっと前へ出られてしまってはいたが、美妙斎の優男やさおとこに似合ぬ闘志さかんなのが
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
新聞懐中して止むるをきかずたって畳ざわりあらく、なれ破屋あばらや駈戻かけもどりぬるが、優然として長閑のどかたて風流仏ふうりゅうぶつ見るよりいかりも収り、何はさておき色合程よく仮に塗上ぬりあげ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)